野生動物に関する情報が錯綜する中、善意から生じる誤解が事態を悪化させるケースが目立っています。ネット上で散見される誤った言説と、法的な実態を整理します。
誤解1:「弱っているタヌキやアライグマを保護して飼育したい」
道端や庭先で動けなくなっている個体を見かけても、一般市民が勝手に保護・飼育することは法律で厳格に禁止されています。
タヌキは在来野生動物であり、鳥獣保護管理法により環境大臣または都道府県知事の許可なく捕獲・飼育することは違法です(違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金)。また、特定外来生物法に基づくアライグマは、生きたままの移動(運搬)、保管、飼育、野外への放出が全面的に禁じられており、違反した個人には最高3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金(法人の場合は最高1億円の罰金)という極めて重い刑事罰が科されます。
誤解2:「水を張ったバケツを置けばアライグマを餌付けできる」
アライグマという名称は、前足を水中に突っ込んで獲物を探す姿が「手を洗っているように見える」ことに由来します。決して潔癖症で食べ物を洗っているわけではありません。庭先に水場や生ゴミ、ペットフードを放置することは、アライグマを餌付けして近隣一帯を危険に晒す重大な迷惑行為となります。