作中において、坊ネズミとハエドリのコンビは観客の視線を釘付けにします。公開から年月を経た現在でも、SNS上やファンコミュニティでは「ジブリ史上最も可愛いマスコット」として定期的にトレンド入りを果たしています。
視聴者の支持を集める要素は、緻密に計算された「ギャップ萌え」と「身体のリアリズム」にあります。
- ハエドリとの協力関係:自力で飛べないハエドリの足を掴んで空中移動したり、疲れたハエドリを坊ネズミが抱えて歩く相互扶助の姿。
- ミニチュアな仕草:銭婆の家で出されたチーズやクッキーを小さな両手で抱えて食べる姿や、千尋の髪留めを真似て頭を気にする仕草。
- 健気な労働描写:銭婆の糸紡ぎを手伝うため、息を切らしながら滑車を全力で回す無心な姿。
どんぐり共和国などの公式ジブリショップでも、坊ネズミとハエドリの指人形やぬいぐるみ、肩乗せエコバッグはロングセラーを記録し続けています。「傲慢だった巨大児が、小さく無力なネズミになることで初めて他者への思いやりを覚える」という視覚的・構造的カタルシスが、国境や世代を超えた愛着を生み出しています。