スクリーンに映し出されるマル暴の姿は、常に観客を惹きつけてやまない。白石和彌監督がメガホンを取り、役所広司が圧倒的な狂気と哀愁を演じきった映画『孤狼の血』は、警察とヤクザの境界線が曖昧だった昭和末期の熱気を見事に切り取った傑作だ。また、北野武監督の『アウトレイジ』シリーズでも、狡猾に立ち回る悪徳刑事の凄まじい存在感が物語の軸となっていた。
近年では、日米共同制作のドラマシリーズ『TOKYO VICE』が、1990年代の東京アンダーグラウンドと警視庁の暗闘を冷徹なリアリズムで描き、世界的な評価を獲得した。こうした警察ノワール作品は、現在NetflixやU-NEXTなどの配信プラットフォームでも高い人気を誇っている。過剰に見えるフィクションの演出だが、実際の現場を知る古参捜査員たちに言わせれば「昔の現実は映画以上に荒々しく、紙一重の緊張感に満ちていた」という。