仙台火力発電所の歴史を振り返ると、日本の高度経済成長とエネルギー転換の歩みそのものが凝縮されています。最初の設備である1号機(17万5,000kW)が運転を開始したのは1959年(昭和34年)のことでした。その後、急増する電力需要に応える形で1960年に2号機(17万5,000kW)、1962年に3号機(17万5,000kW)が相次いで増設され、当時は東北電力の基幹電源として高度成長期の産業発展を力強く牽引しました。
しかし、運転開始から数十年が経過して設備の高経年化が進んだことから、東北電力は設備の刷新と環境負荷低減を目的とした大規模なリプレース計画を策定します。旧来の重油・原油焚きだった旧設備を整理し、最新鋭の天然ガス火力へと世代交代させる大転換でした。
この歴史の中で特筆すべきは、2011年3月11日の東日本大震災における被災と奇跡的な復旧劇です。発電所は太平洋沿岸の立地であったため、最大遡上高に達する大津波の直撃を受けました。当時建設中だった4号機および運転中だった既設設備は冠水し、壊滅的な打撃を受けました。
一時は運転再開が危ぶまれるほどの被害でしたが、全国の電力会社やプラントメーカーからの支援を受け、総力を挙げた復旧工事が展開されました。その結果、被災からわずか数カ月後の2011年12月には4号機の試運転を開始し、2012年4月8日に営業運転を開始。震災後の東北地方における電力不足の危機を救う決定打となりました。その後、役目を終えた1〜3号機は正式に廃止・撤去され、現在の洗練された設備環境へと生まれ変わったのです。