ネット上の簡易コード解説サイトでは、「カポ4をつければ初心者でも今日からすぐ弾ける!」といったキャッチコピーが頻繁に見られます。しかし、ここには音楽表現上の見落とされがちな落とし穴が存在します。
第1の盲点は、「ハイフレットにカポをつけることによる音域の上小(低音感の喪失)」です。カポタストを4フレットという比較的高い位置に装着すると、ギターの弦長が短くなり、オープンコードを弾いたときのベース音(ルート音)が軽くなってしまいます。バンド演奏でエレキギターをカポ4で弾いてしまうと、ベースやドラムの太いビートに対してギターの低域がスカスカになり、原曲のような「重心の低いロックなドライブ感」が失われてしまうのです。
第2の盲点は、「左手のミュート処理の難化」です。カポ4のオープンコードは開放弦が多く鳴るため、音をピタッと止めたい休符の瞬間に余計な残響が鳴り続けてしまいがちです。原曲の魅力である「キレ」を再現するには、ストロークした直後に右手の手刀部分(小指側の掌)を弦に当てて音を止める「右手ミュート」の技術が不可欠となります。「押さえるのが楽だから」とカポ4を選んだ結果、リズムのキレを出すのが逆に難しくなったという声は、現場で非常に多く聞かれます。