田部井淳子の死因「腹膜がん」の真実|富士山に捧げた最期の闘病録

田部井淳子の死因「腹膜がん」の真実|富士山に捧げた最期の闘病録

今注目を集めている 田部井淳子の死因「腹膜がん」の真実|富士山に捧げた最期の闘病録について、多角的な視点を整理して公開しています。

田部井淳子さんは2016年10月20日午後10時、埼玉県川越市内の病院で静かに息を引き取りました。享年77。公表された直接の死因は「腹膜がん(ふくまくがん)」でした。

腹膜がんは、胃や腸、肝臓といった腹部の臓器全体を包み込んでいる薄い膜(腹膜)から発生する非常に稀な悪性腫瘍です。病態や治療方針は卵巣がんと酷似していますが、初期の段階では自覚症状が極めて乏しく、定期的な健康診断や腹部エコーでも発見が難しい難治性がんとして知られています。腹水が溜まって腹部が張る、原因不明の胃痛や食欲不振が続くといった自覚症状が現れた段階では、すでに進行しているケースが少なくありません。

田部井さんに異変が起きたのは2012年春のことでした。登山活動の合間に腹部の張りや違和感を覚え、専門医の精密検査を受けた結果、腹膜がんが判明。当時の報道各社へのインタビューや手記によると、医師から告げられた現実は「5年生存率は3割程度」というあまりに冷徹な宣告でした。

しかし、彼女はその過酷な現実を前にしても取り乱すことはありませんでした。当時の特番インタビューで語られた「落ち込んで治るならいくらでも落ち込むけれど、落ち込んでも治らないなら今できることをしよう」という言葉は、世界中の高峰を単なる根性論ではなく、冷静なリスク管理と準備で越えてきた登山家ならではの覚悟を物語っています。

森 瞳
著者

森 瞳

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