なぜ薬物事件はこれほどまでに社会的なバッシングを呼ぶのか。その背景には、過熱する芸能スキャンダル報道とネット社会の共犯関係がある。
ひとたび逮捕されれば、本人の私生活や交友関係、過去の発言に至るまでが徹底的に掘り返され、謝罪会見の所作ひとつがコンテンツとして消費される。日本の芸能界特有の「清廉潔白さ」を求める空気は、一度の過ちを犯した者に対して極めて厳しい。欧米では医療的アプローチやリハビリプログラムを通じた社会復帰が前提として語られることが多いのに対し、日本では道徳的断罪が先行しがちだ。
社会的な制裁と再起の機会のバランスをどこに置くべきか。芸能界は今もなお、明確な答えを見出せないまま揺れ動いている。