時計の針を1960年代に戻そう。1962年に朝日放送テレビ(当時は朝日放送)の制作でスタートした『てなもんや三度笠』は、瞬く間に全国的な社会現象となった。最高視聴率は関西地区で60%超、関東地区でも40%超を記録。テレビの前に家族全員が釘付けになった日曜18時の光景は、もはや伝説として語り継がれている。
物語の軸となったのは、渡世人・あんかけの時次郎と、怪力無双の小坊主・珍念の凸凹コンビだ。旅先で巻き起こるドタバタ劇を、生放送さながらのライブ感とアドリブ満載で届ける構成は、当時の視聴者にとって未知の刺激だった。舞台劇の熱気とテレビ特有のテンポが見事に融合した空間から、あのフレーズは放たれた。