中井監督の育成論の根幹にあるのは、技術指導以上に「人間的成長なくして野球の上達なし」という確固たる信念です。広陵高校野球部では、全員が寮生活を基本とし、日々の生活態度や礼儀作法、環境整備が徹底されています。
中井監督が残した数々の言葉の中でも、特に高校野球ファンや教育関係者の胸を打つ名言があります。
「野球が上手いだけの人間は、うちにはいらん。社会に出て通用する人間を育てるのが私の仕事です」
「日本一のチームを作るんじゃない。日本一愛されるチームを作るんだ」
「控えの選手が腐らずに声を出し、チームを支えている時、そのチームは絶対に崩れない」
グラウンド内外で最も重視されるのが「目配り・気配り・思いやり」の3原則です。毎朝のトイレ掃除や道具の手入れ、すれ違う人への爽やかな挨拶など、一見すると勝敗に直結しないような「凡事徹底」を3年間やり抜かせます。中井監督はメディアの特番インタビューでも「グラウンドに落ちているゴミを拾えない選手が、試合中の大事な場面で転がるボールに飛びつけるわけがない」と語っており、生活の隙がプレーの隙に直結することを説き続けています。