こうした飲食カルチャーの隆盛は、単なる偶然ではない。長期にわたり市政の舵取りを担ってきた蓬萊務市長のもと、市内では積極的な産業基盤の整備や道路網のアクセス改善が進められてきた。山陽自動車道三木小野インターチェンジ周辺をはじめとする幹線道路沿いの整備が進んだことで、神戸・明石方面からの人の流れが劇的に加速したのだ。
小野市観光協会もこの好機を逃さず、地産地消のグルメマップ作成やデジタルスタンプラリーなど官民連携の仕掛けを次々に展開。地元の生産者と料理人を直結させる流通ルートの開拓も後押しし、厳しい環境下にある外食産業の中でも、小野市の飲食店は際立ったタフネスと独自性を見せつけている。行政のインフラ投資と民間の料理人たちの情熱が噛み合い、地域全体が巨大な「美味しい目的地」へと育ちつつある。