大正区を語る上で欠かせないのが「リトル沖縄」と呼ばれる濃密な地域文化です。大正時代から昭和初期にかけて、紡績工場や造船所の労働力として多くの沖縄出身者が移住してきた歴史的背景があります。区の人口の約4人に1人が沖縄にルーツを持つとも言われ、その中心地となっているのが区の南部、平尾地区に広がる「平尾商店街(サンライズ通り平尾)」です。
商店街に足を踏み入れると、豚肉の塊や島豆腐、乾物が並ぶ精肉店や惣菜店が軒を連ね、沖縄そばの出汁の香りが鼻腔をくすぐります。地元に根付いた食堂では、ソーキそばやゴーヤーチャンプルー、揚げたてのサーターアンダギーが日常のソウルフードとして親しまれています。単なる観光名所ではなく、三線教室やエイサーの練習風景が生活の延長線上に溶け込んでおり、日本国内でも類を見ない温かな共同体文化が息づいています。