LEDの普及によって、かつて数ヶ月に1回強いられていた「電球交換の煩わしさ」から私たちはほぼ解放されました。しかし、その利便性がもたらした心理的副作用として、「照明設備はメンテナンスフリーであり、永遠に壊れない」という危険な安心バイアスが日本社会全体に定着してしまった側面は否定できません。
昭和・平成の家電は「壊れたら部品を換える」という付き合い方でした。一方、令和のLED照明は高度な半導体回路の塊であり、壊れるときは静かに、しかしある日突然全機能がストップします。高所にある照明器具の突然死は、夜間の転倒リスクや家庭内の生活動線マヒを招く深刻なインフラトラブルです。
照明選びにおいて、初期費用の安さだけを追い求めてよいケースと、信頼性を最優先に投資すべきケースの線引きは明瞭です。
▼低価格品(ネット通販のノーブランド・PB品)でも問題ないケース:
- クローゼット、納戸、屋根裏など、月間の点灯時間が数時間程度の場所
- 万が一突然不点灯になっても、隣接する部屋の明かりで安全が確保できる開放的な間取り
- 脚立を使わずに手軽に手が届き、いつでも数分で交換作業が行える高さの器具
▼大手メーカー製(パナソニック、東芝、ホタルクス等)へ投資すべきケース:
- 吹き抜け天井、階段室、高齢者の寝室など、突然の球切れが命に関わる転倒事故に直結する場所
- ダウンライトや防湿防雨型器具など、放熱条件が著しく悪く基板に高負荷がかかる環境
- 「5年保証」などの長期メーカー保証と迅速なカスタマーサポート体制を保険として確保したい世帯