造形物や二次創作カルチャーの現場に目を向けると、三玖が持つ「視覚的記号の完成度」が浮き彫りになります。コトブキヤからリリースされたスケールフィギュアをはじめ、各社から展開された立体物は、トレードマークのヘッドホンとストッキング、カーディガンの組み合わせが絶妙なバランスで立体化され、軒並みヒットを記録しました。
秋葉原のホビーショップや展示会を取材すると、ショーケースの前で足を止めるファンの年齢層は、10代の学生から30代・40代の往年のアニメファンまで驚くほど多層的です。派手すぎない落ち着いたブルートーンの配色と、ふとした瞬間に見せる照れ顔のギャップが、フィギュア収集家の所有欲を強く刺激しています。
さらに、コミックマーケット等の現場におけるコスプレ界隈でも、三玖の人気は突出しています。ウィッグのスタイリング、ヘッドホンの装着、タイツの質感という三要素を揃えることでキャラクターの再現性が高く保てる一方、現場のコスプレイヤーからは「内向的でありながら芯の強い三玖特有のアンニュイな表情作りが最も難しく、奥が深い」という生の声が聞かれます。ただ外見を真似るだけでなく、内面の内省的なオーラまでを表現しようとするファン心理が、息の長いカルチャーを形成しているのです。