清原和博の現在を語る上で欠かせないのが、元妻・亜希氏との間に生まれた2人の息子の存在です。長男は慶応義塾大学の野球部でプレーし、次男の清原勝児選手は慶応義塾高校に進学。2023年夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)では、同校の107年ぶりとなる全国制覇に大きく貢献しました。
かつて自身が伝説を作った阪神甲子園球場のバックネット裏で、一般の観客に混じり、息子の打席を祈るように見つめる清原氏の姿は大きな感動を呼びました。かつての威圧感に満ちた佇まいは消え、白髪交じりの短髪で息子の成長を心から喜ぶ「一人の父親」の顔がありました。家族との再構築、特に元妻・亜希氏の寛大な理解と息子たちのまっすぐな眼差しが、彼が薬物を断ち切る最大の精神的支柱となっています。
仕事面においても、清原和博の更生と球界復帰に向けた歩みは確かな前進を遂げています。2020年に学生野球資格回復の適性審査を修了したことで、高校生や大学生への指導が可能となりました。YouTubeチャンネル『清ちゃんスポーツ』での野球技術の解説や、名球会のイベント、独立リーグの春季キャンプでの臨時打撃コーチなど、グラウンドでの活動機会も着実に増加しています。
NPB(日本プロ野球)の一軍首脳陣としての現場復帰には、今なお慎重な意見も根強く存在します。しかし、自らの過ちを包み隠さず伝え、挫折を知る指導者として後進を育てる道は確実に開かれつつあります。「焦らず、驕らず、一日一日を大切に生きる」という現在の姿勢こそが、彼が長いトンネルの先に見出した光と言えます。