一蘭のトイレに入ると、12個、16個、店舗によっては20個以上のトイレットペーパーホルダーが壁一面に整然と配置されています。この独特な設置スタイルの発端は、「お客様にトイレットペーパーが切れるという最大の不快と恐怖を絶対に与えない」という創業初期からの強い現場哲学にあります。
飲食店のトイレでペーパーが切れていた際の絶望感や気まずさは、顧客満足度を一瞬でゼロにしてしまう致命的なリスクを孕んでいます。一蘭では、従業員がピークタイムの混雑時に頻繁に個室へ補充に入ることなく、かつ100%確実に在庫切れを防ぐ仕組みとして、壁そのものをストッカー化するアイデアを採用しました。
社内記録や広報取材の経緯によると、当初は予備を2〜3個置く程度だったものが、「絶対に切らさない安心感」を突き詰める過程で段階的に増設され、現在の圧巻のスタイルへと発展しました。業務効率化と顧客の安心を同時に満たす合理的なシステムが、結果として世界中の来店客を驚かせるキラーコンテンツへと成長を遂げたのです。