この俗称の爆発的な定着を後押ししたのが、かつて「2ちゃんねる」と呼ばれ、現在は「5ちゃんねる」として知られる巨大匿名掲示板である。2000年代初頭、クリスマスシーズンになると板内には非リア(恋人がいない人々)による自虐的なスレッドが乱立した。その中で「性の六時間」というパワーワードは瞬く間にキラーミームとして定着していく。
掲示板の住人たちは、当日の深夜になると実況スレッドを立ち上げ、街の様子やテレビ番組の感想をリアルタイムで書き込んだ。「今この瞬間も誰かが…」といったネタ投稿や、独り身の寂しさをユーモアに昇華させる書き込みが相次ぎ、独特のWebカルチャーが醸成されていったのだ。
匿名性の高い空間だからこそ共有できた連帯感は、ネット空間におけるひとつの救いでもあった。悲壮感を漂わせるのではなく、ポップな笑いへと変換する集合知のメカニズムが、このネットスラングを四半世紀近く生き残らせた源泉と言える。