「担当美容師はハサミの入れ方も丁寧で骨格補正も完璧なのに、なぜかアイロンを持つと急に下手になる」という声はSNSやネットの口コミでも頻繁に見られます。この「美容師がカットは上手いのにセット下手」という逆転現象が起きる背景には、サロン教育の偏りと個人の得意領域の乖離が関係しています。
現場の育成カリキュラムにおいて、カットやカラーの理論は厳格なマニュアルが存在する一方、スタイリングは「個人のセンス」に委ねられる傾向が根強く残っています。特に以下の3つのパターンで失敗が生じやすくなっています。
- アイロンの巻き込み過多:流行のナチュラルなニュアンスではなく、均一で硬いカールを根元近くから入れてしまい、時代遅れのゴージャス感が出てしまう(美容師のアイロン下手による熱の入れすぎ)。
- 昭和風のブロー立ち上げ:デンマンブラシやロールブラシで根元を立ち上げすぎて頭部が四角く大きく見え、現代的なタイト感や抜け感が損なわれる(美容室のブロー下手問題)。
- オイル・ワックスの過剰塗布:濡れ髪ブームの解釈を誤り、根元付近から重いオイルを馴染ませた結果、数時間後に皮脂と混ざって「数日間髪を洗っていないようなベタつき」に見えてしまう(美容師のスタイリング剤つけすぎ)。
日常のファッションやライフスタイルと調和する「引き算の美学」を理解していないスタイリストに当たると、カットラインの美しさが過剰なスタイリングによって完全に隠されてしまうのです。