土用の丑の日に食べるべきなのは、実は「う」のつくものだけではない。「黒いもの」を食べることも、非常に強い縁起担ぎとされている。陰陽五行において、丑に対応する色は「黒」だからだ。この時期に食べられる代表的な黒い食材が「土用しじみ」である。夏にとれるしじみは「土用しじみは腹薬」と言われるほど栄養価が高く、オルニチンが豊富で疲れた肝臓を労ってくれる。
もう一つ忘れてはならないのが「土用餅」だ。これは、小豆のあんこで包んだ餅のことで、小豆の赤い色が魔除けを意味し、餅が力(エネルギー)を与えてくれるとされている。宮中や加賀藩の時代から続くこの習慣は、現代でも和菓子店で広く販売され、夏の無病息災を願う人々に愛され続けている。一口サイズの土用餅は、甘いもので手軽にエネルギー補給をしたい現代人にとって、理にかなったおやつと言えるだろう。