猫のしっぽが短くなる主な要因は、親から受け継ぐ遺伝子の突然変異です。猫の尾の長さを決定づける遺伝子研究では、椎骨の形成に関わる「T-box遺伝子」やその他の劣性・優性遺伝子が関係していることが判明しています。猫のしっぽが短いのは生まれつきの骨格形成によるものであり、尾骨の数が通常の猫(20本前後)に比べて大幅に少ないか、互いに癒着して短縮しています。
歴史的に見ると、日本猫におけるしっぽが短い特徴は江戸時代に広く定着しました。当時の日本では「しっぽが二股に分かれた長尾の猫は妖怪『猫又(ねこまた)』になる」という俗信が広く信じられていたため、怪異を恐れた人々が意図的に短尾の猫を重宝して飼育したという興味深い文化的背景があります。その結果、島国という閉ざされた環境も手伝い、日本国内で短尾遺伝子が自然と淘汰されずに受け継がれていきました。