「怠惰」という言葉には誤解がつきまとうが、このアプローチの裏には確かな学術的裏付けが存在する。その中核をなすのが、言語学者スティーブン・クラッシェン教授が唱えた第二言語習得論の「インプット仮説」だ。
クラッシェン教授は、人間が言語を習得する唯一の方法は、意味を理解できるメッセージ(理解可能なインプット)を受け取ることだと主張した。無理に発話の練習を繰り返したり、文法規則を丸暗記したりする必要はない。リラックスした状態で、自分の興味に合った自然な英語に触れ続けることこそが最短ルートなのだ。心理的障壁(情意フィルター)が下がった時、脳は最も効率よく言語を吸収する。「怠惰な英語」は、まさにこの理論を現代的に具現化したものと言える。