現在、豊田章男氏はトヨタ自動車の代表取締役会長を務める傍ら、モータースポーツの現場では「モリゾウ」の名義でステアリングを握り、開発現場の最前線に立ち続けています。単なる名誉職の会長にとどまらず、重要案件の舵取りや対外的な発信、そして「もっといいクルマづくり」の最終アンバサダーとして極めて多忙な日々を送っています。
特に注力しているのが、カーボンニュートラル実現に向けた「マルチパスウェイ(全方位戦略)」の現場実装です。電気自動車(BEV)一辺倒の市場圧力に対抗し、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド(PHEV)、水素エンジン車、合成燃料など、あらゆる選択肢を世界各地のインフラ環境に合わせて提供する姿勢は、近年の世界的なEVシフト減速局面においてその先見性が再評価されています。
国内外のレース現場に自ら足を運び、メカニックや若手エンジニアと泥臭く意見を交わすスタイルは健在であり、経営トップでありながらテストドライバーとして車両の限界値を身体で測る稀有なリーダー像を確立しています。