この大改革は、単なる運営委託の枠組みを遥かに超えている。アコーのCEOであるセバスチャン・バザンはかねてより、日本の地方都市が秘める観光資源の圧倒的なポテンシャルに着目していた。「本物の日本文化を体験したい」と願う世界中のインバウンド旅行者と、日常からエスケープしたい国内の感度の高い層。双方のニーズを満たす拠点が地方には決定的に不足していたからだ。
一方、住宅・不動産開発の巨人である大和ハウス工業にとっても、保有するホテルアセットの価値を世界基準へと引き上げることはホテル・リゾート産業における最重要ミッションであった。両者の思惑が完全に一致し、日本のリゾート地図を塗り替える壮大な再編劇が実現した。
国内のホテル・リゾート産業はいま、インバウンドの急増と滞在スタイルの多様化という巨大な地殻変動の只中にある。ハードウェアの老朽化に悩んでいた地方の大型施設が、グローバルブランドの息吹を得て息を吹き返す。この鮮やかな再生劇は、地方創生におけるひとつの理想的な回答といえるだろう。