海賊王ゴール・D・ロジャーの懸賞金が55億6480万ベリーという前人未到の領域に達した背景には、単純な個人の武力にとどまらない複数の決定的な要因が存在します。
作中でセンゴク元帥が「海賊史においてこれを超える額はない」と断言した通り、世界政府がロジャーに対して抱いていた恐怖は極限状態に達していました。その核心的な理由を紐解くと、主に以下の3つの要素が集約されています。
第一に、「最後の島(ラフテル)への到達と世界の秘密の掌握」です。ロジャー海賊団は歴史上唯一、光月おでんの協力を得てロード歴史の本文(ポーネグリフ)をすべて読み解き、ラフテルへと到達しました。これにより、世界政府が800年間ひた隠しにしてきた「空白の100年」「古代兵器の正体」「Dの意志」のすべてを知る存在となったのです。世界政府の支配体制を根底から転覆させうる情報を持っていたことこそ、最大の危険因子でした。
第二に、「覇王色の覇気を極めた圧倒的な戦闘能力と統率力」です。悪魔の実の能力を持たず、自身の覇気と剣術(愛刀「エース」)のみで世界を制覇したロジャーは、当時の海軍大将や「世界最強の男」エドワード・ニューゲート(白ひげ)と幾度となく互角以上の死闘を繰り広げました。シルバーズ・レイリーやスコッパー・ギャバンといった強力な一味を束ね上げる強固なカリスマ性も、海軍本部を脅かす要因となりました。
第三に、「大海賊時代の引き金となった処刑直前の言葉」です。病に冒され自首したロジャーですが、ローグタウンの処刑台で放った「おれの財宝か?欲しけりゃくれてやるぜ…」という一言で、無数の荒くれ者を海へと駆り立てました。死してなお世界を混乱に陥れる影響力の巨大さを政府が事前から警戒していた結果が、この破格の金額に反映されています。