カリフォルニア大学サンフランシスコ校の小児内分泌学者、ロバート・ラスティグ教授の主張は過激でありながら説得力に満ちている。彼は「砂糖は単なる空虚なカロリーではなく、肝臓に対する慢性的な毒素である」と断じる。果糖の代謝経路がアルコールとほぼ同じであり、過剰摂取が非アルコール性脂肪肝を直接引き起こすと指摘する。
ラスティグ教授が最も問題視するのは、利権の構造だ。安価で保存の効く砂糖を大量投入して製品の依存性を高める食品産業と、それによって増大した慢性病患者を治療し続けるヘルスケア産業。両者が生み出す巨大な経済循環の中で、消費者の健康が置き去りにされていると告発する。嗜好品としての甘みは、いまや高度に計算されたマーケティング兵器へと変貌している。