矢本悠馬の実力が社会的に再認識された象徴的な契機が、野田サトル原作の大ヒット漫画を実写化した『ゴールデンカムイ』における白石由竹(脱獄王)役でした。
漫画やアニメの実写化作品は、熱狂的な原作ファンからの批判に晒されるリスクが常に付きまといます。特に白石由竹というキャラクターは、ギャグ要員としての軽快さと、修羅場をくぐり抜けてきた男の凄みを併せ持つ難役であり、キャスティング発表時には「誰が演じてもイメージが崩れるのではないか」と危惧されていました。
しかし、劇場公開およびドラマシリーズの配信が始まると、SNS(旧Twitter / X)上の反応は一変しました。「完全に白石そのもの」「頭の形から表情、コミカルな逃げ足まで原作から抜け出してきた」と絶賛の嵐が巻き起こったのです。実際に矢本悠馬は、原作の骨格に近づけるための体型維持や、特殊メイクに耐えうる表情筋の訓練を徹底して行いました。持ち前の愛嬌に職人肌のストイックさを融合させたこの演技は、視聴率や興行収入といった数字以上の熱量をファンコミュニティにもたらしました。