波乱に満ちた泥沼劇の中で、最も理不尽な傷を負ったのが長男の野村陽一氏でした。野村克也氏の家族構成と子どもの関係性を整理すると、非常に複雑な血縁関係が浮かび上がります。
野村克也氏にとっての法的な実子は「長男・陽一氏」と「次男・克則氏」の2人のみです。沙知代氏の連れ子である団野村氏とケニー野村氏を含めると、野村家には4人の息子が存在したことになりますが、血がつながっているのは前妻との息子・陽一氏と、沙知代氏との息子・克則氏だけでした。つまり、野村克則氏から見て陽一氏は「異母兄弟」にあたります。
正子さんに引き取られて育った陽一氏は、父が自分たちを捨てて新たな家庭を築いたこと、そして日本中で連日報道されたスキャンダルによって、幼少期から多大な精神的苦痛を味わいました。成長後はスポーツマネジメントの世界に身を置き、元西武ライオンズの東尾修氏の個人マネージャーなどを務めましたが、父・克也氏とは数十年間にわたり音信不通に近い完全な断絶状態が続いていました。