昼間は鮮やかな青色を見せていた空が、夕方になると一転して燃えるような茜色に染まる現象にも、明確な物理的根拠が存在します。夕焼けが赤い理由を決定づけているのは、太陽の傾きに伴う大気の厚さと光の届き方の変化です。
真昼の太陽は頭上高くに位置するため、光が大気層を通過する距離は最短で済みます。一方、夕方や明け方は太陽が地平線近くまで傾くため、太陽光が私たちの目に到達するまでに通過しなければならない大気層の距離が、真昼に比べて約10倍から30倍以上も長くなります。
大気の長大なバリアを通過する過程で、散乱しやすい青い光は途中で四方八方に散らばり尽くしてしまい、地表にいる私たちの視点にはほとんど届きません。その一方で、波長が長く障害物をすり抜けやすい赤い光や橙色の光だけが大気を突き抜けて目に届きます。これが、夕暮れ時の空が赤く染まる決定的な真相です。