キスシーンを魅力的に仕上げるには、カメラアングル(視点角度)に応じた適切なキス アタリの取り方をマスターする必要があります。顔が極端に接近する構図では、目・鼻・口の配置バランスが狂いやすいため、頭蓋骨の球体と顎のブロックを同時に捉える下準備が欠かせません。
初心者にもわかりやすい基本の3大アングルと、それぞれの作画手順は以下の通りです。
1. 横顔(サイドビュー)の描き方
シルエットの美しさが際立つ定番構図です。まず二人の頭部を円で描き、顎先と首のラインを確定させます。横顔同士のキスでは、「受け側の唇の間に、攻め側の上唇または下唇が少し割り込む」ように噛み合わせを描くと立体的な説得力が生まれます。鼻先同士の距離をわずかに離し、互いの鼻筋が交差して見えないよう首を前後にスライドさせるのが成功の秘訣です。
2. 斜めアングル(クォータービュー)の描き方
最もドラマチックで立体感が出しやすい反面、パースの狂いが生じやすい難関アングルです。手前に位置するキャラクターの顔骨格をやや俯瞰またはアオリで捉え、奥のキャラクターの顔が手前の顔の陰にどれくらい隠れるかを計算します。手前のキャラクターの後頭部から顎のラインを主軸にし、奥のキャラクターは「片目と鼻先が手前の鼻の向こう側からわずかに覗く」バランスを意識すると、奥行きのある空間が生まれます。
3. 俯瞰・アオリ(ドラマチックアングル)
情熱的なシーンや切ない別れの場面で多用される構図です。俯瞰の場合は頭頂部から生え際、まつ毛の伏せ方に視線が集まり、アオリの場合は顎下から首筋の緊張感が強調されます。アタリの段階で二人の「首の付け根」と「鎖骨の中心」を結ぶ軸線を引いておくことで、体幹のねじれが破綻するミスを防ぐことができます。