函館の港湾地区に足を踏み入れると、一際目立つツタで覆われた美しい赤レンガの建物が現れる。1911年(明治44年)に建造されたこの旧函館郵便局舎こそが、現在の函館明治館である。当時の最先端技術と西洋の設計思想を取り入れた重厚な外観は、北海道の厳しい気候に耐え抜き、長い年月を経た今もなお圧倒的な存在感を放っている。
建築物の最大の見どころは、アーチ状の美しい窓枠と、幾重にも積み上げられたレンガが生み出す独特のファサードだ。四季折々で表情を変える外観は、特に新緑から秋の紅葉にかけてツタが鮮やかに彩り、写真映えする絶景スポットとして人気を博している。建物内に立ち入れば、吹き抜けの大空間とむき出しの木製梁が温かい木の温もりを感じさせ、一瞬で明治の浪漫あふれる時代へとタイムスリップしたかのような感覚に包まれる。