アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドからなる最高峰の機密同盟「ファイブ・アイズ(Five Eyes)」など欧米主要国の情報コミュニティから見て、日本のインテリジェンス能力はどう評価されているのでしょうか。
海外からの評価は、「極めて高度な技術収集(SIGINT・衛星画像)と、脆弱な人的情報網(HUMINT)のアンバランス」に集約されます。地理的優位性と最先端技術を活かした極東地域の通信傍受や潜水艦探知、宇宙空間からの監視能力は世界最高水準と絶賛される一方、現地の人間関係に深く食い込んで機密を盗み出す工作活動は法制度とリスク許容度の低さから圧倒的に不足しているとみなされています。
では、日本のインテリジェンス機関で働くにはどうすればよいのか。採用の難易度は国家公務員試験の中でも最難関クラスに位置づけられます。
・内調・警察庁(キャリア組):国家公務員総合職試験をパスした警察官僚や各省庁エリートからの選抜。
・公安調査庁:国家公務員一般職試験等から独自に「公安調査官」として採用。高度な法律知識と高いコミュニケーション能力・精神的タフネスが求められます。
・防衛省情報本部:自衛官(幹部自衛官・情報科)としてのキャリアアップ、または防衛事務官・技官としての専門職採用。
いずれの組織も身辺調査(セキュリティ・チェック)は厳格を極め、機密保持に対する極限の適性と倫理観が問われます。派手なスパイ映画の世界とは異なり、膨大な公開情報と断片的な生データを突き合わせる緻密なデスクワークと、泥臭い人間関係構築がキャリアの実像です。