熱愛騒動の代償は小さくなかった。剛力は長年所属したオスカープロモーションを離れ、個人事務所を設立して独立の道を選ぶ。かつて「ゴリ押し」と揶揄されるほど過密なスケジュールで働いていた彼女が直面したのは、後ろ盾を失った芸能界の厳しさと、世間に染み付いた「富豪の元恋人」という色眼鏡だった。
仕事の激減やバッシングを耐え忍びながら、彼女は地道に小劇場の舞台や単館系映画へと足場を移していった。華やかなスポットライトから一度身を引き、泥臭い芝居の世界で自らの演技力を磨き直す日々。それは、敷かれたレールの上を走るだけのアイドル的女優から、真の表現者へと脱皮するための必然的な潜伏期間だった。