のび太が選ばれた真の理由は、映画化もされた屈指の感動作「のび太の結婚前夜」における、しずかちゃんの父親の言葉に集約されています。
結婚式を翌日に控え、両親と離れることに不安と寂しさを募らせるしずかちゃんに対し、父親は静かに語りかけます。
「のび太くんを選んだ君の判断は正しかったと思うよ。あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことができる人だ。それが一番人間にとって大事なことなんだからね」
学力や社会的地位、運動能力といった外形的なスペックではなく、「他者の痛みに寄り添える心」を持っているかどうかが、人生のパートナーとして最も尊い価値であると父親は見抜いていました。のび太は普段どれほど情けなくても、友人が困っているときや誰かが悲しんでいるとき、損得勘定なしで涙を流し、救いの手を差し伸べることができる人間です。この絶対的な優しさと人間的魅力こそが、しずかちゃんとその家族から絶大な信頼を勝ち得た理由でした。