従来のドラマや映画で描かれがちだった「自己犠牲的な母親」や「家庭を支える良妻賢母」といった記号的な役割は、もはや過去のものだ。現在評価されている作品で描かれるのは、欲望に葛藤し、過ちを犯し、時に理不尽な社会と戦う、一人の自律した人間としての姿である。
子育てを終えた後のアイデンティティの模索、キャリアの再構築、あるいは狂気や悪徳に染まっていくアンチヒーロー役。多面的な人間模様をリアルに演じ切る姿に、同世代の女性視聴者は強い共感を抱く。共感だけではない。そこには、完璧ではない人間を肯定する救いすら漂っている。