ネット上のコミュニティ(SNSやQ&Aサイト)には、適性検査を終えた受講生の赤裸々な体験談が数多く投稿されています。「OD式で最低の評価が出て泣きそう」「教官に呼び出されて怒られるのかとビクビクした」といった書き込みは枚挙にいとまがありません。
しかし、実際の教習現場で何が起きているかを取材すると、受講生の受け止めと指導員の視線には明らかなギャップが存在します。都内の指定自動車教習所で15年以上の指導歴を持つベテラン指導員は、取材に対して次のように現場の内情を明かしました。
「適性検査の結果は、受講生を裁くための道具ではありません。技能教習の原簿にシートが挟み込まれて指導員の手元に届きますが、私たちが確認しているのは『この生徒が路上に出た時、どんなパニックを起こしやすいか』というリスク予防のポイントです。例えば、おとなしく見える生徒が実は衝動性のスコアが高いと分かれば、ブレーキの踏み遅れを警戒して助手席側の補助ブレーキに添える手の緊張感を高めます」
つまり、教習所入校時適性検査の診断結果は、教官が助手席から生徒の命を守るための「カルテ」そのものなのです。実際に「適性検査の評価が悪かったけれど、担当教官から『自分は焦りやすい性格だと分かっていれば大丈夫。車間距離だけ人より多く取ろう』と優しくアドバイスされて安心した」という受講生の声も多く、結果が悪いこと自体を恥じる必要は微塵もありません。