日本の超高層ビルにおける最大の課題は、いつ襲ってくるかわからない大地震への備えである。東日本大震災で発生した長周期地震動は、高層建築の安全思想を根底から揺さぶった。この課題に対し、果敢に挑んだ革新的なアプローチが世界中から注目を集めた。
屋上に設置されたのは、総重量約550トンにも及ぶ巨大なTMD(チューンド・マス・ダンパー)振り子装置だ。地震発生時、ビル本体の揺れと反対方向にこの重りが動くことで、長周期の激しい揺れを大幅に相殺する。既存の超高層ビルにこれほど大規模な制震装置を後付けした例は世界でも極めて珍しい。安全への妥協なき挑戦が、働く人々に絶大な安心感を提供している。