ネフェルピトーをめぐる最大の論争点といえば、やはり性別判定です。猫のような愛らしい顔立ちにしなやかな体躯、細身の脚部など、外見的特徴は一見すると美少女そのものに見えます。しかし、作中のテキスト表現やキメラ=アントの生態系を掘り下げると、一筋縄ではいかない複雑な設定が浮かび上がってきます。
まず、公式キャラクターズブックにおいて、ピトーを含む直属護衛軍は「王を産む役割を持たない兵隊蟻」として位置づけられています。昆虫学的な視点では働き蟻はすべてメスですが、キメラ=アントは人間をはじめとする多種多様な生物の遺伝子が混ざり合った摂食交配生物です。初期の作画では胸の起伏がほとんどなく中性的に描かれていましたが、物語が進むにつれて女性的な曲線美が強調される描写が増加しました。
一人称が「ボク」である理由についても、多くの考察が存在します。日本語における「ボクっ娘」的なキャラ付けという側面だけでなく、生まれたばかりの無垢な幼子としての自己認識、あるいは性別意識そのものを超越した純粋な捕食者としての記号と解釈するのが極めて自然です。テレビアニメ版(日本テレビ版)では声優の藤村歩さんが担当し、少年とも少女とも取れる絶妙なハイトーンボイスで狂気と無邪気さを演じきり、キャラクターの中性的な魅力を決定づけました。