ネット上のまとめ記事やSNSでは、「タイトルが『プラダを着た悪魔』なのだから、劇中の衣装はすべてプラダが提供している」という誤解が散見されます。しかし、これは明確な事実誤認です。
実際には、ミッウチャ・プラダ自身は映画制作を全面的に支持し、アーカイブから多数のアイテムを提供したものの、映画全体の主役となったブランドはむしろシャネル(CHANEL)でした。特にアンディの変身プロセスにおいて、カール・ラガーフェルド率いるシャネルのアイテムが多用された理由は、パトリシア・フィールドが「アンディの知的な美しさを最も引き立たせるのは、構築的でモダンなシャネルである」と確信していたためです。
また、使用された膨大な衣装の「その後」についても誤解があります。一般的に映画の衣装は倉庫に保管されるか処分されることが多いですが、本作の衣装の多くは慈善オークションに出品され、乳がん研究支援基金などに全額寄付されました。単なる浪費ではなく、社会的な意義へと昇華させた点も、本作の衣装チームが称賛される理由の一つです。