沢田研二のライブを訪れた人々が口を揃えて驚嘆するのが、ホール中をビリビリと震わせる凄まじい声量です。加齢に伴う声帯の萎縮や肺活量の減退を微塵も感じさせないパフォーマンスの裏には、ジュリーならではの確固たる身体論が存在します。
声量が衰えない最大の理由は、若い頃から培ってきた盤石のインナーマッスルと、全身を共鳴器として鳴らす無駄のない発声技術にあります。特別なジム通いや人工的なボイストレーニングを行うのではなく、「年間数十本に及ぶ過酷なツアーのステージそのもの」を身体維持の極上のトレーニングと位置づけています。ステージ上を何十メートルも全力ダッシュした直後でも、ブレスの乱れをほとんど見せずに朗々と歌い上げる持久力は驚異的です。
また、ネット上で時折囁かれる健康状態の真相ですが、重大な病気や長期入院の兆候は一切見られません。かつてはタバコや過度な飲酒の習慣もありましたが、節度を持った食生活と日々のシンプルなウォーキングを中心に、ごく自然体な健康管理を徹底しています。「老いに怯えず、無理なアンチエイジングに抗わない」という精神的なゆとりが、喉や肉体に無駄な力みを生まない好循環を作り出しています。