英恵の長男である森顕は、株式会社ハナエモリの社長を務めるなど、母が創り上げた美の世界をビジネスの側面から力強く支えた人物である。過酷なファッションビジネスの世界において、クリエイティブと経営の両立を図る役割を果たした。彼の存在なくして、ブランドの国際的な市場拡大は成し得なかった。
顕の子供たちのひとりである森勉は、グラフィックデザイナーやアーティストとして活動しており、一族の持つ芸術的感性を絵画やデザインの分野で表現している。ファッションという枠組みを超え、アートの領域でも異彩を放つ勉のスタイルは、祖母・英恵から脈々と受け継がれた表現者としての魂を感じさせる。ビジネスとアートが高度に融合した一族の構造がここに見えてくる。