念願のポワントを手に入れた初心者を即座に打ちのめすのが、尋常ではない「足指の激痛」です。初めて立った初心者の多くが「親指の皮が擦り切れる」「水ぶくれや血豆が破れる」「足の爪が内出血して真っ黒に変色する」といった痛みに苦しみます。
しかし、取材に応じた複数のプロフィッターは口を揃えて「激痛を単なる根性論や通過儀礼として放置してはならない」と警鐘を鳴らします。足が激しく痛む主たる理由は、本人の耐痛性不足ではなく、「足型とボックスの不一致」および「靴内部への足の滑り落ち(過度な沈み込み)」にあるからです。
初心者向けポワントの選び方において最も重視すべきは、個々の足指の長手形状(足型)の正確な把握です。人間の足は大きく3つのタイプに分類されます。
こうした足先のプレッシャーを緩和するために不可欠なのが「トウパッドの選び方」です。シリコン製、ジェル製、ウール製、薄型ニット製など素材は多岐にわたりますが、「痛いから」という安直な理由でぶ厚い二重ジェルパッドを選ぶのは典型的な初心者の過ちです。パッドが厚すぎると足裏の床反力を感知できず、靴幅を余計に広げて購入することになるため、次第にパッドの中で足が滑り落ちて爪先が強く打ち付けられる「二次被害」を誘発します。近年は、摩擦を最低限に防ぎつつ床の感覚を遮らない、極薄のシリコンフォームや天然羊毛(ウール)を部分的に詰めるカスタマイズが推奨されています。