彼女のスタンスを理解するには、欅坂46時代の軌跡を振り返る必要がある。少女たちが笑顔を振りまき、水着写真集をヒットさせることが王道とされるアイドルシーンにおいて、彼女は軍服を思わせるマニッシュな衣装や黒を基調としたストイックな装いを貫いた。笑顔を封印し、歌詞の痛切なメッセージを身体表現へと昇華させる姿は、既存の枠組みを根底から揺るがした。
笑顔を売らない、媚びない、肌を見せない。その徹底したセルフプロデュースは、時に「異端」と評されながらも、同世代の女性層を中心に熱狂的な支持を集めた。当時から一貫しているのは、肉体そのものを消費させるのではなく、作品の世界観を伝えるための器として己の身体を捧げるという、徹底したプロ意識である。