大手広告代理店や民放幹部への取材を通じて浮かび上がったのは、テレビ放映権ビジネスの冷徹な現実です。かつてジャパンコンソーシアム(NHKと民放各局の連合体)が一括取得していたW杯放映権料は、世界的な配信プラットフォームの参入によって数百億円規模へと高騰しました。
日本国内における中継体制は、役割ごとに明確に分断されています。
地上波テレビ放送予定に関しては、NHKが代表戦を中心に数試合の生中継を確保し、民放キー局が広告収入との採算を見極めながら厳選した一部カードを編成する見込みです。平日午前中の試合枠は、民放にとって長年高視聴率を誇る情報ワイドショーの枠を差し替える形となるため、スポンサー獲得のハードルがかつてなく高くなっています。
この間隙を埋めるのがデジタル配信です。前回大会で旋風を巻き起こしたABEMA無料ネット中継は、今大会でもマルチアングルカメラや追っかけ再生など、デジタルならではの視聴体験を提供します。ただし、全試合完全網羅の対象や高画質配信の一部はプレミアムプランへの誘導が組み込まれており、完全無料の境界線はよりシビアに設定されています。
全試合を漏らさず、解説陣の独自視点や戦術分析を含めて楽しみたいサポーターにとって、DAZN中継見逃し配信の存在は外せません。早朝のキックオフ時に通勤電車の中にいる社会人層にとって、SNSのネタバレを遮断した状態からの「フルマッチ見逃し配信」は、もはや贅沢品ではなく必要不可欠なインフラとなっています。