数あるスポーツ漫画の中でも、本作が突出して「夢創作」の対象となる理由は、古舘春一氏が描くキャラクターたちの圧倒的な「生々しさ」にある。彼らは超能力でバレーをしているわけではない。汗をかき、筋肉痛に悩み、テストの点数に怯え、進路に迷う普通の高校生なのだ。
「及川徹が部活帰りにコンビニで買うアイスの種類は何か」「黒尾鉄朗が授業中に見せる退屈そうな横顔はどんなものか」。こうした、原作の端々に散りばめられたリアルな生活感の描写が、ファンの妄想の呼び水となる。キャラクターが「現実にいそう」だからこそ、ファンは自分自身の日常と彼らの日常をリンクさせやすいのだ。