竹中直人と青地公美の出会いは、まさに運命的なものでした。きっかけとなったのは、ある舞台の現場でした。当時すでに個性派俳優として頭角を現していた竹中直人が、共演や関係者を通じて青地公美と顔を合わせた瞬間、その圧倒的な美しさと穏やかな佇まいに一目惚れしたと語られています。
竹中直人のアプローチは極めて情熱的でした。シャイで繊細な性格でありながら、彼女の心を開くために何度も食事に誘い、自身の芝居や将来の映画制作にかける夢を熱狂的に語り続けました。当時、竹中直人はまだ現在のような大御所の地位にはなく、表現者としての葛藤を抱えていた時期でもありました。青地公美はそんな彼の狂気と情熱、そして純粋な人間性に強く惹かれ、交際へと発展しました。
1990年に2人は結婚。青地公美は結婚と同時に芸能界引退を決断します。この潔い幕引きの背景には、「表舞台に立つ夫を誰よりも近くで支え、生活の基盤を磐石にしたい」という強い信念がありました。夫が役作りに没頭し、監督として映画制作に私財を投じるような勝負の場面でも、彼女は動じることなく家庭を守り続けました。
家族構成は夫婦と1男1女(長女・長男)の4人家族。子どもたちも成人し、それぞれの道を歩んでいますが、家庭内は常に笑いとリスペクトに満ちていると伝えられています。竹中直人は結婚後数十年にわたり、メディアで妻のことを問われるたびに「今でも妻が一番綺麗」「頭が上がらない」と公言して憚りません。