小沢仁志の俳優人生の原点は、昭和の熱気と混沌が渦巻いていたストリートにあります。東京都出身の彼は、10代の頃から新宿や中野界隈で荒れた生活を送り、喧嘩に明け暮れる日々を過ごしていました。しかし、単なる不良少年にとどまらず、幼少期から映画への強烈な憧れを抱いており、当初は俳優ではなく「映画監督」を目指して映像業界の門を叩いています。
大部屋俳優やエキストラ、過酷な現場の下積みを経て、彼を一躍全国区に押し上げたのが1984年の伝説的ドラマ『スクール☆ウォーズ』(TBS系)でした。小沢が演じたのは、少年院帰りで川浜高校ラグビー部に突如現れる不良生徒・水原亮役。圧倒的な目力と本物の不良にしか出せない危険なオーラで視聴者に鮮烈なトラウマと感動を植え付け、テレビ界にその名を轟かせました。
その後、映画『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズへ出演。戸塚水産高校のヘビ次こと中村竜雄役や、後のシリーズでの前川新吾役、鬼島刑事役など、異なる強烈なキャラクターを変幻自在に演じ分けました。当時の現場は本物のツッパリや血気盛んな若手俳優が入り乱れる修羅場でしたが、小沢は現場の喧嘩やトラブルを力と統率力で収める「現場の番長」としてもスタッフから全幅の信頼を寄せられていました。