自治体が発行する津波ハザードマップは、防災計画の基本となる極めて重要なツールだ。しかし、そこに示された浸水予測ラインはあくまで特定のシミュレーションに基づく計算結果に過ぎない。現実の地震では、想定を超える規模の津波がマップ上の「安全地帯」にまで押し寄せる可能性が常に存在する。
「ハザードマップで着色されていないから大丈夫」という過信は、東日本大震災でも多くの悲劇を生んだ。津波の挙動は地形や建造物の配置によって複雑に変化する。地図上の数字や色にとらわれず、より高く、より遠い場所へ逃げるという原点に立ち返る姿勢こそが、命を守る最後の砦となる。