元広島・今村猛の現在と引退の真実|3連覇を支えた剛腕の生き様

元広島・今村猛の現在と引退の真実|3連覇を支えた剛腕の生き様

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2021年10月、広島東洋カープから戦力外通告を受けた際、今村氏はまだ30歳でした。NPB他球団や独立リーグ、海外リーグでの現役続行を模索する道も十分にありながら、なぜ彼はトライアウトを受けることなく静かにマウンドを去ったのでしょうか。ネット上では「故障隠し」や「イップス疑惑」など様々な憶測が飛び交いましたが、その背景には極限状態を戦い抜いた男にしか分からない心身の摩耗がありました。

最大の要因は、リーグ3連覇期における凄まじい登板負荷です。2016年から2018年にかけて、今村氏は3年連続で60試合前後に登板。ポストシーズンを含めれば毎年のように70試合近くマウンドに上がり、ブルペンでの投球練習を含めれば肩・肘にかかったストレスは天文学的な数値に達していました。

引退後に明かされた手記やインタビューによると、2019年頃から「イメージ通りの球速が出ない」「指先にかかる感覚が以前と決定的にズレている」という違和感を常に抱えていたといいます。全盛期には150キロを超えていた直球が140キロ前半に落ち込み、痛みを抑えながらフォームを微調整する日々が続きました。

戦力外通告を受けた直後、他球団関係者からの打診や独立リーグからの誘いもあったものの、今村氏の心の中にあったのは「カープのユニフォームを脱ぐ時は、プロ野球を辞める時」という一途な忠誠心でした。高校時代から育ててくれた広島という街、そして赤ヘルファンへの感謝を胸に、ボロボロになるまで腕を振り切った充実感とともに、未練を残さず潔くグラウンドを去ったのが引退の真相です。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。