ニンニクの収穫適期を捉えるうえで、最も信頼できる指標が地上部の葉の枯れ具合です。球が成熟期に入ると、根からの養分吸収が落ち、光合成で作られた栄養分がすべて地下の鱗球(りんきゅう)へと転流します。この生理現象に伴い、下位葉から順番に葉先が黄色く変色し、やがて茶色く枯死していきます。
現場の熟練農家が指標とするのが「下から3〜4枚の枯死」、あるいは「株全体の葉のうち約60〜70%が黄色〜褐色に変化した状態」です。緑色の葉がまだ半分以上残っている段階では肥大が不十分であり、逆にすべての葉が茶色く倒伏するまで放置すると、球を保護する外皮が土中で分解されてしまいます。
見極めの精度をさらに高めるために、以下のステップで進行状況を観察してください。
- ステップ1(変色開始):最下段の葉(第1葉・第2葉)の先端が黄色く縮れてくる。この段階はまだ肥大の最終スパート期です。
- ステップ2(適期直前):下から3枚目までの葉が完全に枯れ、上部の葉も緑色が薄くなり始める。試し掘りの準備に入ります。
- ステップ3(収穫適期):下葉3〜4枚が枯死し、緑の葉が頂部に2〜3枚残る状態。茎の根元を触ると硬く締まり、球の肩部分が土を持ち上げているのが確認できます。
また、球をしっかりと太らせるための必須作業がにんにくの芽摘みタイミングの見極めです。5月前後に中心から伸びてくる花茎(トウ)を放置すると、開花のために栄養が奪われ、球の肥大が著しく阻害されます。花茎の先端がくるりと1回カールした頃合いを見計らい、晴れた日の午前に手やハサミで根元から摘み取ることが、充実した大玉を収穫するための前提条件となります。