順風満帆に見える現在の賑わいに至るまでには、切実な存続のドラマがあった。設備の老朽化と後継者不足により、一度は廃業の噂が囁かれた時期がある。燃料費の高騰も追い打ちをかけた。
風向きが変わったのは数年前のこと。地元の有志とU・Iターン組の若手起業家たちが「このランドマークを絶やしてはならない」と立ち上がった。クラウドファンディングを通じた修繕資金の確保、浴室の歴史的ディテールの復元、そして若者視点でのイベント企画。古いものをそのまま残すのではなく、愛情をもって手入れし続ける姿勢が、多くの共感の輪を広げていった。