多くの宿泊客に惜しまれながら幕を下ろした同ホテルですが、その決断の裏には複合的な要因が絡み合っていました。最大の要因となったのは、竣工から45年が経過した建物の深刻な老朽化と、定期建物賃貸借契約の満了です。
1976年に前身の「虎ノ門東急イン」として産声を上げて以来、幾度かのリニューアルを重ねてきたものの、最新の耐震基準や省エネルギー性能、近年の宿泊客が求める設備仕様への大規模改修には莫大なコストを要する状態でした。折しも虎ノ門一帯では都市再生特別地区に指定された巨大プロジェクトが次々と立ち上がっており、単独での建て替えよりも街区全体の一体型開発へ舵を切る判断が下されました。
さらに、東急ホテルズグループ全体が進めていた事業ポートフォリオの再編、および当時の社会情勢による宿泊需要の一時的な冷え込みも重なり、契約期間の節目をもって歴史にピリオドを打つ運びとなったのです。